〇日本画技法紹介

花(グロリオサ)の日本画の描き方

画材:墨 胡粉 水干絵具 岩絵具 顔彩 麻紙ボード

 あらかじめスケッチした花の輪郭をトレーシングペーパーに写しとります。次にそのトレーシングペーパーの裏面を鉛筆で塗りつぶし、本紙(麻紙ボード)に乗せて、再び表面から線をなぞります。
 そうすることで、簡単にスケッチから本紙に形を転写できます。

本紙に転写された線を面相筆など細い筆を使って墨でなぞります。これを骨描き(こつがき)と言います。




 胡粉(ごふん)、水干絵具、墨などを混ぜて背景(下地)となる色をつくり、 刷毛で全面に塗ります。
 特に胡粉を使用した場合、乾くと白さが強まり骨描きの線が薄く見えるようになります。



胡粉・水干絵具・岩絵具を使うときは、乾いた絵皿の上で、膠液を加え指でよく練り混ぜ、最後に水で溶いてから使います。 (胡粉・水干絵具はまず乳鉢などで擦りすぶしてから使います。)
 顔彩・水干絵具・岩絵具などで骨描きの線をたよりに着色します。
 筆に含ませる水分を調節することで、強い発色からぼかしを活かした柔らかい表現まで様々な効果が得られます。



 先端の表情など細部を丁寧に描き込んで完成です。
 落款やサインを入れると一層画面も引き締まり完成度も高まります。