子ども造形教室では、アーティスト集団である講師たちが集まってカリキュラムを制作し実践しています。
私たちがどんな思いや考え方を持ってカリキュラムを考え、クラスで実践指導をしているかご紹介させていただきます。
ご一読いただけましたら幸いです。
1.子どもたちと一緒にアートを楽しむ
2.子どもたちが制作した過程や作品の良い部分を見つけて褒める
3.カリキュラムからはみ出た部分を認めて伸ばす
子ども造形教室では少人数制でクラス編成をしています。
担当講師1名につき園児クラスは7名・小学生クラスは10名までとしています。
それ以上受け入れる場合は助手をつけるようにしています。
なるべく密度の濃いクラスになるようにと考えています
クラスを指導していく上、大切にしていることがあります。
それは褒めるということ。
同じ年齢でもできる子とできない子がどうしても出てきます。
ただ、その子たちが自分で考えて手を動かし出来た作品は全て素晴らしい作品なのです。
形がきれいに描けなかった、関係ありません。色がきれいに塗れなかった、それもまた関係ありません。
子どもたちが何かを見て、作ろうとし、考え、実際に手を動かして作り上げた作品たちは宝物です。
大人たちから見るとつたないと思われる作品であろうとも、その時間に体験し制作してできた作品は否定されるものではありません。
保護者の方たちにも、お願いしていますが、是非、作品を褒めてあげてください。
そして、どうやって作ったのか、どう考えながら作ったのかを作品を介しながらお話しを聞いてあげてください。
各自それぞれ溢れる思いや発想したことを話してくれると思います。
カリキュラムの目的ですが、「子どもたちをただ制作し楽しませる」という点だけに重点を置いているわけではありません。
もちろん楽しんで制作しながら、作ることを好きになってもらうということは大前提です。
ただ、それだけでは、アーティストが考えなくても、頑張っている幼稚園や小学校の先生たちが考え実践していることだと思います。
私たちアーティストが集まり、考えるカリキュラムとはどういうものを目指すべきかと考えました。
実際にプロのアーティストたちが使っている手法や表現を子どもたちにも体験し、楽しんでもらいたい。ということ。
色々な素材や物に触れて、季節や自然を感じながら制作してもらいたい。ということ。
子どもたちにとっては難しいのではないか、無理なのではないかと思われるようなテーマや表現手法であっても、どう工夫をし準備や手順を踏んでいけば、できるようになるのであろうか。ということ。
これらのことを考え、日々スタッフ一同で意見を出し合いながら研究しています。
実践の場では基本的にはカリキュラムを推し進めていきます。
しかし、それに則り完成すれば良いという考え方ではありません。
子どもたちが自由に独自に思いついた発想や方法などを、どう拾って、さらに広げてあげることができるか。
また、それぞれの年齢や力量を考えながら、この子であればどこまで表現できるだろうか、どこまで食いついてこれるであろうか。
これらのことを常に念頭に置きながら、クラスで指導をしています。
押し付けるのではなく、興味が持てるように授業の導入を大切にし、共に制作を楽しみ、工夫を一緒に考えながら一歩一歩実現していくための指導です。
子どもたちが私たちの想定の枠からどうはみ出してくれるのかを楽しみにしています。
まず第一に物を創ることを楽しんで好きになってもらうこと。
好きになると次に進む時に自分で発想したり、努力を自分からするようになります。
自分から進んで練習や努力、挑戦をすることにより、どんどん上達していきます。
これはアートに限らずどんなことにも同じことが言えると思います。
「練習や努力をしている」ということを本人たちは自覚していないかもしれません。
それが一番の上達への道だと考えています。
この部分へのお手伝いこそ、私たちアーティストにできることではないかと思っています。
そして、子どもたちはいずれ子ども造形を卒業していきます。
美術の道に進む子もいますが、ほとんどの子どもたちはその後まったく美術と関係のない道に進んでいくことになると思います。
私たちはそれで良いと考えています。
ただ、ここで色々なものに触れて体験したことや自分なりに考え付いたことに挑戦したことは決して無駄にはなりません。
今は役に立たないことでも、5年後10年後に何らかのきっかけで思い出し、直接的に美術と関係の無いところで役に立つことがたくさんあります。
また、作品を作って楽しかったこと、辛かったけどやり遂げた達成感、褒められた時の嬉しさなどは、将来必ず役に立つと信じています。
私たちにとっては、ふとした時に子ども造形を思い出して、また遊びに来てくださったら、何物にも代え難い喜びになります。
子ども造形教室では終わった後に出席した子どもたち全員のカルテをつけています。
その子が今日はどんな様子だったか、どんな作品を作ったか、どこまで進んだかなどを毎回記録してあります。
子ども造形では教室で保護者の方が授業風景を自由に見学していただけるようにしています。
しかし、全てを見ることということは不可能だと思います。
子どもたちがどんな状況なのか、どう頑張っているのか、どう成長していっているのかなどを
年に一度、保護者の方と担当講師がお話しをする保護者面談という機会を作りご報告させていただいております。
また、年に3回程度、担当講師よりのびのび造形というお手紙でご報告もさせていただいております。
安心して大切な子どもたちをお任せいただけるように、これからも努力し、より良い教室にしていけるよう邁進していきたいと考えています。
是非1度、無料体験をしていただけたら幸いです。
長くなってしまいましたが、お読みいただき、誠にありがとうございました。